初めての方へ

フラメンコは唄（カンテ）ギター（トーケ）踊り（バイレ）の三者が織りなす三位一体の芸術です。

スペイン南部のアンダルシア地方や東岸のレバンテ地方などでその多くは育まれ、セビジャー・カディス・マラガ・ウエルバ・ムルシアなどその地域独特の形式を持った数々の唄が存在します。
このフラメンコが伝統の中で唄い踊り演奏され、後に新しい傾向が生み出され一般的になると、創始者の出身地の名がついたものが生まれたと言われています。

フラメンコにとってとても重要なものにコンパス（リズム）があります。
もちろんフラメンコには一定のコンパス（リズム）を持たないものもありますが、このコンパスは同じリズムでもアクセントの置き方や抑揚のつけ方で違った形式の曲になります。

そしてフラメンコ舞踊は、所謂一瞬一瞬の繋がりなので、その一瞬にみんな命を懸けて踊りますが、フラメンコは特に個が現れます。
今まで見た舞踊家の中でひとりだけ（好き嫌いは別にして）その踊り手が出てくると周りの空気が瞬く間に変わる踊り手がいました。
やたら芯が太くて力強いのです。魔力とでも言いましょうか、見ている間は魔法に罹ったような感じになってしまいます。
これがまさしくフラメンコの魔力ですね。不思議な感覚の至福の時なのです。

最後にフラメンコとは、作り出す者と鑑賞する者それぞれの心のお祭り、所謂とても個人的な心の宴ということが言えると思います。

ひとつの例として、例えば私のように踊ることが特別得意分野ではなかったのに、少しずつ夢中になっていったというケースも少なくありません。フラメンコはどんなタイプの人にも可能性のある舞踊なのです。
私は初めからフラメンコギターとカンテのある環境に入りましたが、このような好条件は稀です。しかしながら現在ではインターネットがあります。音源を取り入れたり、好きな踊り手さんの踊りを見続けるなんていうことも可能です。まずは、パコデルシアのCDを聴き続けるといったことが上達の早道かもしれません。
広い門戸が開かれていますが、その先のすべては奥深く魅惑的な世界だということをお約束いたします。

初めは音楽に合わせて上体の使い方を練習したり、ステップの方法を学んでいきます。
振付はセビジャーナスとタンゴを少しずつ完成させます。レッスンに入ったら雑事を忘れ、踊りに集中していると、身体と心が刷新されてアップデート間違いなしですよ。